OutSystems「Associate Reactive Developer」資格試験体験記
※当記事は2022年11月に執筆した記事で、情報は当時のものになります。
こんにちは。株式会社メンバーズの野村です。
OutSystemsというノーコード/ローコードアプリケーション開発ツールの資格試験を受けたのですが、その体験談のような情報が意外と少ない印象だったので、これから資格取得を検討している方の一助となればと思い記事を書いてみようと思います。
また、私は仙台在住なのですが、OutSystemsの試験を受けられるテストセンターが2022/11現在、東京と大阪にしかないためオンラインでのテストとしました。
(諸々やってみての感想ですが、テストセンターで受けられるならそちらの方が楽だなぁと思いました)
これらを踏まえて以降の内容を読んでいただければと思います!
はじめに
はじめに書いた通り、OutSystemsはノーコード/ローコードでのアプリケーション開発ツールです。
webやモバイルのアプリケーション開発を行う際にはどんな手法であれ仕様検討がついて回りますよね。
私もこれまで、設計書でのやりとりだったり画面モックを作ってのやりとりをしてきました。
ただ、実際に頭で思い浮かべた使用感とギャップがあることで後工程で修正の必要が出てくることも多く、その非効率さに歯がゆさを感じていました。
ノーコード/ローコードツールはUIを画面上で組み立てて簡単な設定を行うと、それだけで動作確認ができるものが多く
- 動くもので早く確認できることで仕様のギャップが生まれづらい
- 確認用のモックをそのまま成果物として開発に流用可能
- なによりPDCAサイクルを回しやすいので、より価値の高いアプリケーションが作りやすい(と思う)
- 市民開発者の参入ハードルが下がるのでDX + 内製化に課題がある場合にも適用し易そう
上記の点に魅力を感じて興味を持ちました。
その中でもOutSystemsはWebアプリケーション開発で触れる概念をツールの設定値として落とし込んでくれているので、開発時のイメージも沸きやすく全体の仕組みがわかりやすい・把握しやすいという点が優れていると思い、体系的な知識を身に着けたくて今回の試験に臨みました。
Associate Reactive Developer試験範囲と学習
リアクティブなWebアプリを構築するための基礎知識を問われる試験内容です。
ここの「Web開発者への道」(日本語表記)で試験範囲をカバーした学習ができます。
試験は複数選択肢の中から正解を1つ選ぶ1問1答形式で、50問中70%以上の正答率で合格です。
試験案内や問題のサンプルはこちらのページの、当該資格の「資格の詳細」リンクからDL可能です。
試験の申込もこのページからできます。受験料は$200です。
申し込み手順は特に複雑ではないので割愛します。(試験の言語選択にはご注意ください。試験中の変更は不可です。)
実務での利用なし、2週間の学習という状態で合格できました。
自分は以下のような勉強法でした。
- 公式の動画全部見る。
- 実践課題を全部やる。課題が記載されたPDFにやり方は手取り足取り記載されているがそれはなるべく見ないで。
- 公式の動画を見てる最中にキーワードをバーっとメモを取り、「どの動画で何を説明していたか」が後からすぐに引けるようにした。
OutSystemsの公式教材で素直に勉強しました。実際に手を動かすと実践的で楽しいです。
試験を受けるまでの流れ
試験前の準備
PCに試験用のアプリケーションをインストールしておく必要があります。
これは監視ツールや試験官とのやりとり、試験の受験そのものにも使われるので必須のツールです。前日までにインストールしておくことをお勧めします。
会社貸与のPCで管理者権限が制限されている方はツールがインストールできなかったり、インストールできても一部デバイスがうまく動作しない可能性があるのでご注意ください。私は念のため私用PCで受けました。
それと試験場所ですが、個人ブースのような個室のレンタルスペースを借りました。
試験要項には「雑多な場所は避けるように」と書かれているのですが、イマイチ程度がわからなかったので。。。
(後述しますが部屋の中をカメラで結構入念にチェックするので抵抗がある人はレンタルスペースを借りることをお勧めします)
試験当日
ログイン~写真撮影
試験の始まる15分くらい前にツールを立ち上げました。
他アプリケーションを起動していると後工程で怒られるので、試験用のツール以外は閉じておいてください。
試験申し込み後に受信するメールにある「confirmation」「First name for exam start」を使ってログインします。
ログイン後は機器の動作確認の後、個人認証用の顔写真・証明書の写真撮影をします。
この際の証明書はパスポートのようなアルファベット表記のあるものがあるとスムーズだと思います。
自分はパスポートが無かったので、日本の運転免許証を提示しましたが「パスポートもってない?」と聞かれたので、念のため。
ここまで終えて試験官を待ちます。(場合によると思いますが試験官がくるまで5~10分待ちました。来ないと不安になりますが粘り強く待ちましょう。)
試験官とのやりとり
個人的には試験そのものよりもここが一番つらかったです。
何度かコミュニケーションがうまく取れず「退出して日を改めて」と言われましたが再ログインで何度かリトライしてなんとかなりました。「$200…」と試験料のことを思い出しながら少し冷や汗をかきました。
試験官が来ると試験官の姿が映し出されて、チャットボックスが表示されます。
試験官が英語で問いかけてくるので、指示通りに動く必要があります。
日本語で試験を申し込んでいても試験官は英語で問いかけてきます。周りにも他試験者の対応をしている方がいるようで、そのやり取りの音もバンバン入ってきます。
英語が苦手なのもあり聞き取りがしづらく、個人的には試験そのものよりもここが一番きつかったです。。。
試験官に聞かれた内容は以下だったはずです。覚えてる限りなるべく順番通りに書いてます。
- 携帯電話は今どこにあるか
- ペットや子供が同じ部屋にいないか
- あなたの名前はなにか
- 試験の名前はなにか
- カメラは外付けのものか、PC内臓のものか
- 身分証をカメラに映してほしい
- 提示した身分証が何なのか(自分は日本の免許証を出しましたが、そのせいで聞かれたのかも)
- 身分証の有効期限はいつか
- 部屋の全体を映して(並行に360度 ⇒ 部屋の天井四隅 ⇒ 椅子 ⇒ 椅子の裏側 ⇒ デスクの上 ⇒ デスクの下…だったはず)
- 耳の裏側を見せて
- イヤホンを見せて
- ズボンのポケットを見せて(左右、後ろも)
- シャツの襟の裏を見せて
あとは注意事項を並べられるので「yes」「ok」で乗り切りました。
これくらいの問答を経て次は別の試験官にバトンタッチします。
口頭ベースのやりとりはここで終わりです。以降はチャットでのやり取りになり、向こうからのチャットが見えているか、こちらからチャットを送ることができるかという確認の後、注意事項を述べられて次工程へ移ります。
※試験を終える前にその旨をチャットで伝えるように言われたので、試験完了ボタンを押す前はお気を付けください。
ツールの説明
面接官とのやり取りが終わると文面ベースで試験の回答の仕方や、試験ツールの補助機能の説明が始まります。
補助機能は、明らかに除外したい選択肢を取り消し線で消したり、後で見直したい問題にマークを付けられて後でマークを付けた問題だけ見返すことができる、といったようなものです。
試験開始
ツールの説明が終わり、試験開始ボタンを押すと試験開始です。
問題の内容はもちろん伏せますが、OutSystems公式のガイドパスで内容を把握して、過去問で日本語などの雰囲気を押さえておくといいと思います。
問題は過去問よりもやや難しいです。少し重箱の隅をつつくような内容だったり、エンティティのリレーション数が増えて少しだけ複雑になったり…みたいな感じです。
ひとしきり回答を終えたらチャットで試験を終える旨を試験官に伝えて向こうから反応あり次第、試験終了のボタンを押して完了です。
その後、試験の合否が画面に表示されます。
試験終了後
登録していたメールアドレス宛に試験の結果が届きます。
分野別の正答率がわかるので、落ちてしまった場合は次回への対策につなげられるかと。
OutSystemsの自分のプロフィールへの保有資格の反映は即時ではないらしく、数日後に反映されているのを確認しました。
おわりに
(円安真っ只中の受験料$200なので、中々ヒリついた感覚を味わいつつ)
試験終了後は合格した喜びよりも「英語に毎日触れるようにしよう・・・」という思いの方が強く残りました。
OutSystemsの資格は取りたいけどテストセンター遠すぎるんじゃ!という方に届けばと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ローコード開発のご相談はラピッドスケールカンパニーまで!
私の所属しているラピッドスケールカンパニーではローコード開発を中心とた開発のご支援をさせていただいております。
ご興味のある方は以下のサイトよりお問合せください!
株式会社メンバーズ ラピッドスケールカンパニー
この記事を書いた人
関連記事
- Astroをフロントエンドフレームワークとして利用する
Hideki Ikemoto
- React Redux: 毎回新しい参照を返す select...
Daisuke Yamamura