【現地レポート】CloudNative Days Summer 2025:沖縄から見るクラウドネイティブ×地域DXの最前線
はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社メンバーズ デブオプスリードカンパニーの山田です。
5月23日に沖縄で開催された「CloudNative Days Summer 2025」に参加してきました。
技術イベントへの参加は、新しい知識を得たり、業界のトレンドを知ったりする素晴らしい機会です。今回のイベントでは、私自身も多くの刺激を受けました。
この記事が、皆さんの技術イベントへの興味のきっかけになれば嬉しいです。
CloudNative Daysとは? 今回のSummerイベントについて
CloudNative Daysは、クラウドネイティブ技術の普及と発展を目指し、年に複数回開催される国内最大級の技術カンファレンスです。
コミュニティメンバー、企業、そしてエンジニアが集まり、知識やアイデアを共有し、新たな繋がりを育む場として機能しています。最新のユースケースや先進的なアーキテクチャについて学ぶことができるため、クラウドネイティブ技術に関心がある方にとって有益なイベントになります。
夏と冬の年2回開催され、今回私が参加したのは、夏開催にあたる「CloudNative Days Summer 2025」です。今年は沖縄で開催され、地域に根ざしたDX推進の取り組みや、クラウド技術の最新動向、そして話題のAIの活用事例など、多岐にわたるテーマのセッションがありました。
実体験に基づいたセッションが多数あり、単なる理論の説明だけではなく、実際に現場でどのように技術が活用されているのかという実践的な理解を深めることができました。

イベント終了後もアーカイブ視聴が可能なので、クラウドを活用したシステム開発や運用に興味がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
イベントで得た3つの大きな学び
今回のイベントで特に「これは今後の仕事や学習に活かせる」と感じた学びを3つのポイントに絞ってご紹介します。
1. 沖縄におけるDX推進の具体的な取り組み
今回のイベントで印象的だったのは、沖縄県におけるDX推進の具体的な取り組みです。
参加前は「沖縄とDXはどのような繋がりがあるのだろう?」と、具体的なイメージが湧いていませんでした。しかし、セッションを通して沖縄が抱える独特の技術課題と、それらに対するアプローチを知ることができました。
沖縄では、県内企業のDX実施率が10%以下とデジタル化の取り組みが遅れている現状があり、主なIT企業が一部地域に集中しており、他の地域や離島ではITとの接点が少ないという課題も見られます。キャリアアップや給与面の問題から人材が県外へ流出してしまうデジタル人材不足も深刻とのことです。さらに、観光業など特定の産業への依存や、99%以上が中小企業という産業構造、そして伝統的な習慣を重視する傾向が強く、新しい技術や働き方への心理的なハードルが高いといった地域特有の課題があることを知りました。
このような状況の中、沖縄ではデジタル化を強力に進めるための取り組みが活発に行われています。特に、クラウド技術を駆使してコストを抑えながら、段階的にDXを進めていくというアプローチが強調されていました。使った分だけ料金を支払う「従量課金制」のクラウドサービスは、特に中小企業にとって導入のハードルを下げ、柔軟なデジタル化を可能にする有効な手段だと再認識しました。
さらに、リモートワークの普及により県外のエンジニアの知見も取り入れつつ、県内のIT人材育成も強化しているとのことです。地域特有の課題をクラウドで解決しようとする、その熱意に感銘を受けました。
これらの取り組みが進むことで沖縄のIT業界がこれからさらに発展していくことに大きな期待が持てました。
2. サーバレスとAIの普及が開発現場にもたらす変化
最近よく耳にする「サーバレスアーキテクチャ」や「コンテナ化」といったキーワードは、多くの企業で当たり前のように使われ、開発の主流になりつつあることを実感しました。
これらの技術は、インフラの構築や運用を気にすることなく、アプリケーション開発に集中できる環境を提供してくれます。
さらに、開発現場での生成AIの活用が想像以上に進んでいることにも注目しました。コードレビューやプログラムチェック、開発作業の効率化など、多岐にわたるタスクでAIが活用されているとのことです。
AIが単純作業を担うことで、開発者はより創造的なタスクに時間を費やせるようになるという話は、未来の開発現場を具体的に想像させてくれました。
3. AIによるデータエンジニアリングの進化
データを蓄積・分析する上で、クラウドの柔軟性とコスト管理の重要性が強調されていました。
特に「FinOps」という考え方が印象的で、クラウド利用におけるコストを最適化し、データの事業価値を評価するアプローチが重要になるとのことです。
これまではSQLやデータカタログといった専門知識が必要で、データエンジニアリングは少し敷居が高いイメージがありました。しかし、講演では「AIエージェントの登場によって、技術的な参入障壁が下がる」という話がありました。AIがデータ分析の入り口を広げてくれることで、データ活用の世界がより身近になるかもしれません。これは私にとって大きな発見でした。
イベントで登場した注目技術を深掘り
イベントでは、具体的な技術についても深く掘り下げられました。私が特に気になった技術をいくつかピックアップしてご紹介します。
- Kubernetes (クーバネティス): コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、スケーリング、管理を自動化するプラットフォームであり、企業での採用が加速していることを知りました。
- サーバレスアーキテクチャの展望: 開発者がインフラ管理から解放され、ビジネスロジックに専念できる環境を実現するサービスとして着実に進化していることを学びました。
- クラウドベースのデジタル教科書開発: デジタル教科書開発では、アクセス解析とデータ蓄積が重要な技術要素とされています。クラウドとの親和性が高く、授業時間中はリソースを増やし、それ以外の時間は最小限に抑えるといった柔軟な運用が可能になることを知りました。
これらの技術は、DX推進の基盤となったり、教育分野でのデジタルコンテンツ開発にも活用されたりしていると聞き、クラウドの汎用性の高さに改めて感心しました。
イベントに参加して感じたこと、そして今後の展望
今回のCloudNative Days Summer 2025は、私にとって本当に多くの気づきと学びを与えてくれるイベントでした。
沖縄でこれほど積極的にIT推進活動が行われていることに驚きましたし、生成AIの業務での活用が進んでいることを知り、「これは自分も早く習得すべきだ」と強く実感しました。また、タブレットを使った授業についても、当初は懐疑的でしたが、クラウドとの相性が抜群に良いという新たな視点を得て、その可能性を感じました。身の回りには、まだまだクラウド化によって効率化できるアナログな業務やサービスがあるかもしれません。
今回のイベントをきっかけに、私の今後の行動目標がいくつかできました。
- 技術イベントへの継続的な参加: 今回のイベントで技術者の方々との交流の楽しさを知りました。これからも積極的に参加し、ネットワークを広げ、情報交換していきたいです。
- 最新技術の実践的な学習: 講演で聞いた技術を頭で理解するだけでなく、実際にコードを書いて、自分でも動かしてみることで、より深く理解していきたいです。
- 生成AIの学習と活用: プロンプト作成スキルを磨き、実務での活用方法を探っていきます。AIを「使う側」のエンジニアとして、効率的な開発を目指したいです。
- データエンジニアリングの学習: 今回のイベントで興味を持ったデータエンジニアリングについて、さらに知識を深めて実践的なスキルを習得していきたいです。
まだまだアウトプットできるほど深く理解できていませんが、イベント参加と学習を重ねて、いつか私自身の技術的な知見を発信できるよう、頑張ります。
沖縄のITの未来への期待
今回のイベントには、県内外から多くのエンジニアが参加しており、その半数以上が県外からの参加者でした。沖縄で開催されたことで、地元企業や地域の現状について直接話を聞くことができたのは、非常に貴重な体験でした。


これまで沖縄県内のIT業界は、仕事が少ないといったイメージを持つ方もいたかもしれません。しかし、DX推進やクラウドサービスの普及にこれだけ熱心に取り組んでいることを知り、沖縄のITの未来に明るい光を見出すことができました。
こうした取り組みが進めば、沖縄で働くエンジニアが増え、技術者同士の交流もますます活発になるはずです。これからの沖縄のIT業界の発展が、本当に楽しみです。
終わりに
今回のイベントレポートはいかがでしたでしょうか? このレポートが、皆さんが新しい技術に触れるきっかけになったり、次の技術イベントへの参加を考えるきっかけになれば嬉しいです。
皆さんも、ぜひ興味のある技術イベントに足を運んでみませんか?
この記事を書いた人

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