【サーバー解体を体験!】日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修潜入レポート

プロフィール画像

Yuna Hashimoto

2024年08月09日

リンクをコピーXでシェアするfacebookでシェアする

はじめに

こんにちは。BEMALab編集部の橋本です!
2024年7月10日(水)に、日本CTO協会主催の新卒エンジニア合同研修へ参加してきました!
第7回目は、GMOペパボ株式会社様が研修を担当し、会場はGMOインターネットグループ グループ YoursOpen in new tab で開催されました。
※前回研修の取材記事はこちらOpen in new tabです!

日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修とは

現代のビジネスでは、エンジニアは企業にとって重要な役割を果たしています。しかし、エンジニアの不足が叫ばれており、それらを解消するためには、採用だけでなく育成にも注力する必要があります。
日本CTO協会では、各社の新卒入社後の研修負担を減らし、かつ多角的な研修内容を提供するために、合同研修をこの6月から開始しています。
※詳細はこちらのプレスリリースOpen in new tabをご覧ください!

なぜ物理サーバー解体がテーマに選ばれたのか?

今回のテーマであるサーバーの解体研修を通じて、サーバーの構造や各部品の機能を実際に確認することで、理論だけでは得られない実践的な知識を習得することを目的としています。
現在はサーバーレス環境の構築も主流になりつつありますが、物理サーバーの特性を理解し、適切に選定することで、システムの信頼性やコストパフォーマンスを向上させることができるためです。

物理サーバーの理解と選定

パブリックサーバーと物理サーバーは相反する存在ではなく、両者を併用することで、コスト効率やシステム構成面での優位性が生まれることがあります。
例えば、大規模サーバーの自社構築は、パブリックサーバーでの構築と比べ大きなコストがかかりますが、大規模データを保有し続けるランニングコストという点では安価に収まる場合もあり、外部サービスに運営が依存しないというメリットもあります。
このようなアプローチにより、メガクラウドに左右されない柔軟な運用が可能となります。また、大手クラウドサーバーも、最終的には物理サーバーの上で動いていることに変わりはありません。
そのため、クラウドサービスの特性を理解し適切に選定するには、物理サーバーの特徴を理解することが不可欠です。

GMOペパボ社のビジネスは、物理サーバーの提供から始まり、当初はロリポップ!レンタルサーバーOpen in new tabをPCサーバーで稼働させていました。
この経験を通じて、サーバーの特性や運用ノウハウを蓄積されてきたとのことで、今回新卒向けの研修テーマにも選定されています。
会場には、サーバーを直接見るのが初めてという参加者も多く、興味深そうに研修に参加していました。

“サーバーは壊した分だけ詳しくなれる”!?

ここからは、実際にサーバーを解体する実技作業が行われました。
参加者は、講師の指導のもと、サーバーケースの取り外しから内部部品の確認、各部品の取り外しまでを実際に体験し、サーバーの内部構造に直接触れることで理解を深めていきました。
ハードウェアの故障やトラブルを経験することで、運用スキルが向上するそうです。

解体研修は、サーバーケースを取り外し、内部部品を確認することから開始しました。
参加者の皆さんがどこまで解体してよいのか迷う中、講師の「意外と丈夫だから、雑に触っても壊れないだろうという考えで触ってみてください。」という言葉がありました。
この言葉により、参加者たちの恐怖心が払拭され、積極的に解体作業に取り組むようになりました。

参加者でサーバー解体する様子

ケースを取り外し、内部部品を確認しました。
マザーボード、CPU、メモリ、ハードディスク、電源ユニットなどが確認できます。
構造は全て同じですが、CPUやメモリの数で価格が変化するようです。

解体後のサーバー


予想以上にバラバラになりましたが、この状態でも組み直せば元通り稼働するとのことでした。改めて、サーバーが小さなパーツの積み重ねで構成されていることを実感しました。
パーツの交換がしやすい配置になっているため、初期不良などが発生しても迅速に対応できるのは、物理サーバーの強みですね。

解体後のサーバー

解体が終了し、講義のまとめとして講師の馬崎氏から
「サーバーは壊した分だけ強くなれる!」と述べられていました。
ハードウェアの仕組みを理解し、実際に手を動かして得た知識と自信は、技術力向上につながると思います。今回の研修のように、恐れずに挑戦し、経験を積むことで、エンジニアとしての成長がさらに促進されることでしょう!

本研修へかかわった方のコメント

参加したメンバーズ社員のコメント Y.K(エンジニア 新卒2年目)

研修では、サーバーの中身を解体し、実際に確認することで、Webサイトやアプリに携わるプログラマーでは一生見ることがないであろうサーバーの構造や仕組みを学びました。
オンプレミスとパブリッククラウドの両方の良さを頭に入れることで、金銭面的の部分で最適な選択ができ、その必要性についても学びました。
クラウドの技術において、物理的なサーバーがあることは認識していましたが、サーバー専用の規格があること、一般に流通しているものとは出力などの面で大きく異なることを実際に確認することで学びました。様々な部品があり、HDD、空冷、マザーボードなどがありますが、これらの部品はサーバー専用の規格があり、一般に流通しているものとは比較にならないほどれも高い性能でした。「規格はある」が「(一般のものとは比較ができない程の)規格外さ」を感じました。
これらの知識は、Webサイトやアプリの開発においても頭に入れていることで、サーバー側の問題を解決する上で役立つと思います。


講師からのコメント 馬崎氏(GMOペパボ)

サーバー解体研修へのご参加、ありがとうございました。
パブリッククラウドサービスが全盛の今、サーバーの解体研修なんて興味持たれるのだろうか?と心配しておりましたが、研修が進むにつれ原型をとどめなくなっていくサーバーの姿に手応えと頼もしさを覚えました。

登壇資料にも記載しましたが、物理サーバーとクラウドサービスは対立するものではありません。
クラウドサービスも含め、インターネットサービスは物理的なサーバーで稼働しています。
エンジニアが直接物理サーバーに触れる機会は減り、意識する必要がなく開発やサービスの運営が行えるようになって久しいですが、物理的なハードウェアに触れた経験はCPUやメモリなどのリソースのサイジングやクラウドorオンプレ、ハイブリッドクラウドの採用などの選択の場で解像度が高くなるなどの利点があると考えています。
これからエンジニアとして成長していく中で、今回の経験が何かしらの糧になれば幸いです。

最後に

サーバー自体を見て触る経験は非常に貴重な体験でした。
冒頭に馬崎氏から説明があったように、パブリックサーバーだけに依存することなく、物理サーバーとの併用を検討することで、システム運用のコストや構成面での優位性を得ることができると学びました。

また、大手クラウドサービスの実態を理解し、適切に選定するためには、物理サーバーの特徴をしっかりと把握しておくことが重要です。
講師のお話やGMOペパボの事例から、物理サーバーの運用経験はサーバー管理の強力な武器になることが明らかになりました。これは受講者にとって、新たな視点となったのではないでしょうか。
今回のサーバー解体研修は、実技を中心とした内容で、参加者の実践的なスキル向上に大いに役立つことになったと思います。
今回の経験を活かし、参加者がさらに成長し、幅広い技術スキルを磨いていくことを期待しています。

この記事を書いた人

Yuna Hashimoto
Yuna Hashimoto
2023年にメンバーズに新卒で入社。 本メディアBEMA Labのディレクター/編集などを行っています。
ページトップへ戻る