PHPカンファレンス2025参加レポート:AIエージェントと開発者の共進化を現地で体感
はじめに
皆さんこんにちは。株式会社メンバーズの池田です。
2025年6月28日に開催された「PHPカンファレンス2025」に参加してきました。
会場は大田区産業プラザPiO。
今回は、現地で感じた空気感やAIエージェント活用に関するリアルな話、開発現場の未来について、考えたことをレポートとしてまとめました。
キャリア観にも触れていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
セッションで得た気づき
「AIエージェントはこう育てる」セッションの学び
まずはこちらの発表を見ました。
詳細はスライドをご覧いただければと思いますが、個人的に気になったキーワードは1つ。
「分断」というワードです。
実際に自分も触り始めてみて思うのは、AIエージェントを使う人と使わない人の生産性の差はこれまでの各ツール利用における比じゃないように感じております。
ちょっと便利になるから使える人は使ってみようという感じでなく、開発プロセスそのものが変わっていく、変えていく必要すらあるように実感してます。
発表された方は開発チームのマネージャーということで、やはりチームの生産品質を一定化する、ないし均一化するためにいろいろと試行錯誤しながら、AIエージェントの浸透を進めておられるようでした。
登壇者と語った“開発者の価値”
その流れの中でちょっとお話ししてみたいテーマがあったため、発表後に会場内でお声がけし、色々とお話しさせていただきました。
私:AIエージェント利用が進めば進むほど、「コードを書く」というプロセスにおいての個人差みたいなものがなくなっていくと思ってます。その部分に楽しみを感じながらITエンジニアをやっているメンバーなどもいたりするかと思うのですが、利用を促進していく中でのメンバーからのアレルギー反応的なものは感じていたりしますか?
登壇者:私自身がまさにそれを感じています。これまではコーディングという行為にパズルを解くみたいな楽しさを感じて業務を進めていて、そういう人は他にも多くいると思ってます。今後は楽しみを感じる種類を意識的に変えていく必要があると感じています。よりメタ的な視点での改善活動、チーム全体の開発効率の向上やプロダクトが生むビジネス価値みたいな部分にこれまで以上に意識を向けていかなければならないと思ってます。
私:今までよりも一段視座を上げるような形でプロダクト開発に向き合うという感じですかね?
登壇者:まさしくそのようなことが全体として必要になってくるように感じてます。
※上記詳細な文言は記憶違いがあるかもしれませんので、ニュアンスとして捉えていただければ幸いです
また、お話しさせてもらった中で別の観点として興味深かったのは、「AIエージェントのチーム浸透の際にはボトムを揃えることが重要」という点です。これは、発表内で述べられていたポイントのひとつでもありますが、チーム全体の最低品質ラインを維持するために、AIエージェントへの指示書の整備や、プロセスへの統合が必要になるという話でした。
登壇者との会話を通じて、AI時代におけるエンジニアとしての立ち位置や、求められる価値の方向性について自分なりに整理が進んだ気がします。
Claude Code時代のキャリア戦略に学ぶ
また会話の中で得た気づきをもう少し深掘りしたくて調べていたところ、帰りの電車で以下の記事を見つけました。
手数の多さというのは人間がAIには勝てないので適切なアーキテクチャでありつづける限り、もう人間はAIに勝てなくなってきているということだと認識しています。
今まで、「適切なアーキテクチャ上で手数を武器にコードを量産してきたソフトウェアエンジニア」の仕事はAIに奪われつつあるという話。
今まではコードを量産することに価値が出ていたものに対しては量産する体制が整ったので価格は下がり、市場価値は暴落していく未来があります。
大局的にはまさにこのような気がしてます。
私の案件内でも半年前くらいからGithub Copilotが導入されて使い倒してますが、自分でコード書く量は4割以下くらいになっている気がしていて、時間的割合で言うと要件整理、検証に占める割合が圧倒的に多いです。(元からそのような側面はありましたが)
この流れは不可逆的であるように感じてますので、そういった状況の中でのポジショニング戦略として5パターンの例が記事内に載っていました。私が目指すべきところとしては、「アーキテクト特化型」「ビジネス統合型」などになっていくのかなと、これまでの経験と個人的志向から考えていました。
避けるべきポジションとして述べられている、「なんでも実装できます」というポジションや「特定のフレームワークやライブラリの専門家」というポジションはちょっと注意していかないといけないなと感じてます。
Claude Code時代(AI時代)において重要なのは、AIを敵視することでも、AIに依存することでもない。AIという強力なツールを理解し、自分のポジショニングを明確にし、人間にしかできない価値創造に集中することだと思っています。
世の中のかゆいところや面倒なところ、資本主義経済でのビジネス拡大において足枷になっているような部分を今までより数倍、数十倍早くシステム化して改善していくための強力なツールが出てきたので、AIエージェントの性能を最大限活かせるように動いていきたいですね。
ちなみに既にゴリゴリ業務利用している知り合いの方は、「レビュー速度が追いつかなくて、結果人間がボトルネック」と仰ってました😆
冒頭のセッション以外にも色々と周らせていただきましたが、どれも興味深い内容でしたので、全体を通してすごくよい学びになりました。
各ブースで出会ったリアルな現場
会場内協賛の企業がそれぞれブースを出しており、各アンケートに答えたりするとノベリティがもらえます。最初の入場の際もらう配布物にスタンプカードが入っており、スタンプ制覇一列毎に抽選ができ、当たると豪華賞品がもらえるような仕組みもあります。
私自身引っ込み思案な性格で、前回参加したときはどのブースにも行けず、悔しい思いをしました。その反省を活かして、今回は思い切って色々なブースを回ってみました。
本開催においては、やはりAI利用調査などのアンケートを行っているところが多かったです。この辺りの詳細はX(旧Twitter)にて#phpconで検索すればいろいろ出てくるかと思いますので、気になる方はそちらをみていただければと思います。
ちなみに私は今回13のブースをまわりました。(※前回は0ブースでした)

抽選場所ではコンプリートしてる方も多くお見かけしたので皆さん凄いなと思いました。
いただいたノベルティの中で一番のお気に入りは、Findyさんの「脆弱性ゼロ御守」です。社用リュックに入れておきます。

ブースでも多くの企業の方といろいろと意見交換することができ、非常に満足感の高いものとなりました。
おわりに
SNS、Zenn、Qiitaなどで日々AI関連の情報が溢れる中で、実践値的な情報を掴みたく足で稼ぐということを仮ミッションとして、今回オフラインでPHPカンファレンスに参加しました。
フルリモート時代にもconnpassなどを経由して、イベントに参加したり、登壇スライドをみたりしてましたが、やはり雑に談話することの難しさによる情報格差みたいなものを多少なりとも感じていました。
私自身が情報系の学校出身ではなかったり、ITエンジニアの経験社歴的にまだ(ほぼ)1社目ということもあり、その辺りの補完としてこのようなイベントをより有効的に活用できればなと改めて感じることができました。
AIエージェントの登場により、これまで以上に多くの課題解決をシステムを通して行える可能性が高まってきた現在、人々が何に困っているかという点により目を向け、ITエンジニアとしてのキャリア形成を考えつつ、日々の業務を行っていきたいなと感じました💪
この記事を書いた人

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