【LTレポート】“止まらない”を支えるさくらのクラウドのリアル
こんにちは、BEMA Lab編集部の濱松です!
2025年12月18日、エンジニアが自分らしく働くことを応援するコミュニティ「BEMA」と、さくらのクラウドに精通する「MEDIA WARP様」による合同勉強会を開催しました。
今回のテーマは、ガバメントクラウドにも認定された純国産の「さくらのクラウド」🌸 2025年9月には石狩リージョンに第3ゾーンが開設されるなど、今まさに注目を集めるインフラです。
本イベントでは、
実務の最前線で使い続けてきた MEDIA WARPの皆さん
触りながら理解を深めている メンバーズ(デブオプスリードカンパニー)
という対照的な視点から、国産クラウド「さくらのクラウド」の“リアル”を語りました。
当日参加できなかった方に向けて、現場の空気感をぎゅっと凝縮してお届けします。
加藤祐基さん
「止まらない」インフラを支える技術
― エンハンスドロードバランサー(ELB)の真価 ―
トップバッターは、MEDIA WARP代表の加藤祐基さん。
さくらインターネット石狩データセンターでのインターン経験を持ち、「技術で、わくわくする未来を形にする」というビジョンのもと、さくらのクラウドと現場で向き合い続けてきたエンジニアです。
このセッションでは、さくらのクラウドの主力機能のひとつであるエンハンスドロードバランサー(ELB)の活用ポイントを語ってくださいました。
自社開発だからこその設計思想
ELBは既製品ではなく、HAProxyをベースにさくらのクラウドが開発したサービスです。
SSL処理のコストを踏まえ、帯域課金ではなくCPS(秒間新規接続数)課金を採用している点など、 “作り手の意図”まで踏み込んだ解説が印象的でした。
“代理人”としてのELBがもたらす安心感
ELBは、HTTPプロキシ型(AWSのALBに近い構成)を採用しています。
通信はいったんLBが受け取り、そこから実サーバへ中継される仕組みです。
この構成により、
DDoS攻撃時の VIPフェイルオーバー
無停止でのプラン変更
といった運用上の安心感が生まれます。
SSLオフロードで、運用をシンプルに
無料SSL「Let’s Encrypt」の自動更新に対応し、SSL終端をLB側で完結できるのも大きな特徴です。
実サーバ側の設定を最小限に抑えられるため、運用負荷を大きく下げられる点は、現場にとって大きな武器になります。
【編集部ボイス】
石狩と東京リージョンをまたいだ冗長構成の話には、石狩DCを知り尽くしているからこその説得力がありました。
「技術を通じてわくわくする未来を形にする」その言葉が、ELBという一つのリソースにもしっかり宿っている。そんな印象を受けたセッションでした!
伊藤蓮さん
「壊しても復旧できる」安心感こそが、エンジニアを救う
第2セッションは、MEDIA WARP エンジニアリングマネージャーの伊藤蓮さん。
さくらのクラウド歴6年のベテランです。
2025年、ガバメントクラウド対応として、正式リリースされた13の新機能を背景に、「現場でどう使うか」という実践知を語ってくださいました。
「精神衛生」を改善するインフラ設計
伊藤さんが最も大切にしているのは、サーバスペックや数値上の性能だけではなく、エンジニアが安心して手を動かせる状態です。
専用サーバ時代にあったのは、「壊したら終わり」という強い緊張感。
一方で、クラウド移行後に手に入れたのは、「壊しても、すぐに戻せる」という現実的な安心感でした。
また、Terraform × Ansibleによる自動化で、「誰が作っても同じ環境が再現できる」安心感も手に入れました。
予測と自動を組み合わせたスケーリング
CPU負荷ベースのオートスケールに加え、時間帯を見越したスケジュールスケールを併用。
突発的なアクセスにも、計画的なピークにも耐える構成です。
モニタリングスイートとの格闘
最も“現場感”があったのが、新機能モニタリングスイートの話。
ログ集約をクラウド内で完結できるメリット
ログ送信まではできるけど、WebUIでうまく見やすくできない
ログ収集処理をFluent BitからGrafana Alloyへの切り替え
OTLP仕様を読み込み、severity_numberで解決にたどり着いた執念
現在進行形の試行錯誤だからこそ、参加者の共感を集めました。
【編集部ボイス】
伊藤さんの話を通じて感じたのは、「優れた技術選定は、エンジニアを不眠から救う」ということ。
技術は「枕を高くして眠るため」にある!そんな言葉が自然と浮かぶセッションでした!
山岸玄斉さん
メガクラウド視点で見た「さくら」のギャップと魅力
トリを務めたのは、メンバーズ(デブオプスリードカンパニー)の山岸玄斉さん。
普段はAWSなどのメガクラウドを扱う立場から、“後輩”として触ったさくらのクラウドの印象を語ってくださいました。
日本語の「深さ」と現場にやさしい「透明性」
まず印象に残ったのは、ダッシュボードやドキュメントの 日本語の分かりやすさ。
機械翻訳ではなく、最初から日本語で書かれていると感じられる自然さに、安心感を覚えたそうです。
さらに、リソースIDまできちんと明記された請求明細。
「何に、いくらかかっているか」がすぐ分かる点も、現場にとってありがたいポイントでした。
「物理」の頭で考えるネットワーク
ここは、山岸さんが「一番ハマった」と語った部分です。
VPC内にサブネットを切る、という考え方をいったん手放し、物理スイッチとルーターをどう配線するか という感覚で設計していく。
この際に、オンプレミスに近い思想に気づいたそうです。
逆転のコストメリット
サーバ単体のスペックでは、他社クラウドが有利に見える場面もあります。
しかし、さくらのクラウドには データ転送量(Egress)の従量課金がないという、大きな特徴があります。
トラフィックが多いサービスほど、この差はじわじわ効いてくる。
トータルで見ると「結果的に、さくらが有利になるケースは多い」
そんな印象を受けました。
【編集部ボイス】
為替変動の影響を受けない円建て料金は、予算管理にシビアな現場にとって、
「現場のことを分かった上で作られている。」
まさに現場にやさしい「透明性」だなと感じました!
編集部まとめ
楽しさから始まる、持続可能なエンジニアライフ
インフラが安定しているということは、 「壊れたらどうしよう」「夜中に呼ばれるかもしれない」といった不安から解放される、ということでもあります。
その安心感があるからこそ、エンジニアの皆さんが新しい技術を試し、構成を見直し、ときには“壊して学ぶ”挑戦にも踏み出せる。
インフラの安定は、新しい挑戦を止めないための大切な土台だと、今回のセッションを通してとても感じました。
BEMAはこれからも、誰かの実践を「すごい」で終わらせず、「まずは聞いてみる」「ちょっと触ってみる」
そんな一歩目を後押しできる場をつくり続けていきます!
関連リンクまとめ
MEDIA WARP様
コーポレートサイト:https://www.mwarp.co.jp/
加藤 祐基 / Yuki Kato:https://x.com/y_kato1997
BEMA
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この記事を書いた人
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