【ファインディ×BEMA共催LT】エンジニアが「自己学習」を継続する戦略とは?イベント初心者の参加で得た知見
はじめに
こんにちは。株式会社メンバーズ デブオプスリードカンパニーの城山です。
2026年3月4日に、株式会社メンバーズのエンジニアコミュニティ「BEMA」とファインディ株式会社様との共催で 『エンジニアが「自己学習」を楽しむための合同LT会』が行われました。
こちらのLT会では、自らの意思で学んだことを元に、自己学習に対する意義や方法、得られたことを共有することがテーマです。
当日は、最新技術からレトロ技術まで、多種多様なテーマのLTをお話しいただきました。
実を言うと、私はこれまでLT会といったイベントにはあまり参加していませんでした。
しかし、プライベートでエンジニアコミュニティイベントに参加する機会があり、技術について詳しくなくても参加してよい、むしろ詳しくなるために参加するのだということに気づきました。
このことがきっかけとなり、今回の合同LT会にも勇気を出して参加しました。
今回のLT会の学びや感想、気づきをレポートしていきますので、ぜひ最後までお読みください。
LT① iOSエンジニアが挑んだReact Native習得の裏側
まず最初は、ファインディ株式会社モバイルエンジニアの加藤雄大さんのLTです。
技術選定にあたりなぜReact Nativeを選んだのかということや、学習方法について詳しくお話しいただきました。
技術選定に正解はない
加藤さんがモバイルアプリを開発することとなった当時、社内にはモバイルアプリの実績がなく、開発ルールも存在しない状況。もちろん0から技術選定をすることになりました。
モバイルアプリ開発手法の選択肢は様々あり、開発者の置かれている環境や考えに依存して最適な手法は変化します。
つまり、技術選定に正解や不正解はないということになります。
私はクラウドエンジニアなのですが、正解があるのではと思い、アーキテクチャの構成を色々と考え込んでしまうことがあるので、この言葉はとても心強いです。
その時々に合わせた最適な手法を選択し、提案できる材料を状況をもとに組み立てられるようにしたいです。
組織と自分の双方にメリットがある技術選定
加藤さんは今回、React Nativeを選定しました。
この選定は、組織と自分のお互いにとって良いという、一石二鳥な点に驚きです。
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
まず組織のメリットとしては、最速リリースです。これまでファインディ様で開発してきたプロダクトで蓄積されたReact・TypeScriptのナレッジと、加藤さんのモバイルエンジニアとしてのナレッジを掛け合わせることで、最速のリリースができます。
次に自分のメリットです。それは、React Nativeを学習することにより、ベースとなったReactも学べ、自身の知識をWebフロントエンドの領域へ広げることができる点です。
これにより、エンジニアとしての価値を向上させるという、生存戦略にもつながっています。
この技術選定にはとても驚きました。業務なのでどうしても組織のメリットのみを考えてしまいがちになりますが、自分にもメリットがある方が理想だと強く思います。
ここで言うメリットとは、楽をするとかではなく、学習をすると言うことです。
なので、積極的に新しい技術を学びに行く姿勢が求められていると感じています。
コードの書き直しと歴史の振り返り
加藤さんがReact Nativeを習得する際は、公式ドキュメントやチュートリアルを見ながらコードを書いたり、これまで書いてきたSwift製のコードをAIと伴走して、React Nativeに書き直すということを最初に行いました。
自分が今まで書いてきたコードを学習中の言語で書き直すというのは思いつかなかった学習方法です。 私も新しい言語、ツールを学習する際は、今まで使っていたもので置き換えてみるということをやってみようと思います。
しかし、ここで加藤さんは一つのモヤモヤに遭遇します。書き方(How)はわかったが、腹落ちしないという点です。
そのモヤモヤを紐解いたところ、納得感(Why)を飛ばして学習したことによって、それまで使ってきた技術から考え方をシフトできていないことでした。
それを解決するため、特定の記法やアーキテクチャの「歴史や経緯」を書籍を読み、体系的に学びました。
私も体系的な知識は、書籍でこそ得られると思っています。
以前、RubyやPHPの認定資格を取得する際、両者とも書籍を読んで学習しました。学生の頃に書籍を読まず、場当たり的に使っていたC++と比較して、書籍読了後、納得度や理解度が大きく異なったことを思い出しました。
体系的な知識を身につけるというのは、その物事の本質を理解するということだと思います。そこで得られた本質は時代を超えても使えるので、これを身につけるのが重要だと改めて認識することができました。
LT② 資格勉強を通じた自己学習の進め方
2つ目のLTは、ファインディ株式会社 西村 憲悟さんの発表です。マルチスタックエンジニアとしてプロダクト開発に従事されています。
AI時代においての自己研鑽の意義とそのやり方についてお話しいただきました。
AI時代における自己研鑽の必要性とは
今ではAIエージェントによって、コーディングを瞬時に行ってくれる時代となっています。
一見、自分の知識は必要ないと思うかも知れません。
しかし、AIエージェントによる設計の頭打ちや実装を行う際は、私たち人間にAかBのどちらが良いか提案をしてきます。これを瞬時に答えるには、スキルが必要になります。
西村さんは以前、スキルが不足しており瞬時に答えることができなかったそうです。
私もこれを聞いてドキッとしました。思い返してみれば、AIからの提案を判断できずに調べたり、メリットデメリットをAIに聞いてレコメンドしてもらったり。これではAIの言いなり感が強くなってしまいます。
時に間違えることもあるAIに対してチェックできるようになるためにも、スキルの向上は重要だと再認識しました。
自己研鑽を続ける3つの方法
自己研鑽をやらなければいけないと思っても、その気持ちだけで継続するのにはとてもハードルが高いです。そこで西村さんは習慣や追い込みといった方法を使い、学習を継続しました。
その方法とは以下の3つです。
会社の目標に組み込む: 自らを外圧に晒すとともに、背水の陣に追い込む。
通勤時間を固定学習枠にする: 出勤時は必ず発生する時間を無駄にせず、資格の本を読んでいたそうです。
心の中でライバルを作る: 会社の同僚や会社外で同じ資格を取得しようとしている友人と比較して自分を追い込んだり、自分の憧れや理想とする人を見つけ、その人たちのように活躍するにはどうすれば良いかを考えていたと言います。
上記の仕組み作りにより、西村さんは目標としていた基本情報技術者試験に合格されました!
仕組み化というのは本当に有効だと思います。
私が仕組み化の有効性を強く実感したのは就寝時間でした。メンバーズに入る前は就寝時間がバラバラなことが多かったです。しかし入社後の研修で、自分に合う時間を見つけ、その時間を必ず確保しようということを教わりました。
これをきっかけに、就寝時間を固定化することで、その時間が近づくとだんだん眠くなるという、良い習慣を作ることができました。
今回改めて、自分なりのルールを作り仕組み化することの有効性を再認識でき、とても良かったです。
LT③ ダイアルアップ接続で通信の歴史を学ぼう
3つ目のLTは 株式会社メンバーズの山村 大介さん。Webフロントエンド開発をメインに担当しています。
レトロ技術を実際に触って得られた知見を語っており、今までのLTとはテーマがガラリと変わりました。
コメント欄でも懐かしいと言った声が多く投稿され、かなりの盛り上がりを見せました!
実演!ダイアルアップ接続
まず最初にダイアルアップ接続を山村さんが実際に行うという、日本中探してもここだけだと思われる導入でした。
私の自宅にインターネットが接続されたのは2000年代後半でした。
ADSLでしたので、ダイアルアップ接続は世代ではありません。
インターネットに接続する時に電話の音が鳴るというのは、とても新鮮です。
ダイアルアップ接続とは
そもそもダイアルアップ接続とは、電話回線を通じてモデムからプロバイダのアクセスポイントに電話をかけて接続しています。
このモデムは、電話回線接続の際に使用する信号変換機器です。MOdulator/DEModulator(日本語で変調器/復調器)を組み合わせて、Modemとのこと。
そのモデムから出る音は、電話交換機に「この番号へ電話をかけたい」と伝えるため。
この音はDTMFと呼ばれ、2種類の周波数の音を組み合わせてできた信号です。
私は前職の鉄道会社にて施工管理をしていたのですが、放送を流すスピーカーを駅に設置するということがありました。
そのスピーカーはDTMF信号によって起動するものだったので、テスターをスピーカーに接続して、どのの周波数の音がどれくらいの強さで届いているのかを確認していました。
今回のLT会で前職のことを思い出すとは思わなかったです(笑)
レトロ技術を学ぶことで得られた知見
山村さんはレトロ技術を学ぶことで、現代のインターネットで使われているプロトコルの理解を深めることができたといいます。
現代のプロトコルはいきなり出てきたわけではなく、PPP → PPPoE → IPoEのように過去から連綿と続くプロトコルだということです。
今の技術をただ使うだけでは、歴史を知ることは必要ないかもしれませんが、歴史を知ることで納得感を深めることができます。先ほどの加藤さんのLTと同様、歴史を学ぶことの意味を聞くことができ、とても良かったです!
LT④ 生成AI時代の「生存戦略」〜会社という船、自己学習というオール〜
最後のLTは、株式会社メンバーズの田原 葉さん。普段はSwiftやFlutterでモバイルアプリの開発支援に従事しています。
生成AI時代においてキャリアの不安を抱えているエンジニアに向けて、自己学習を通じてどのように不安を乗り越えていくかを詳しくお話しいただきました。
変化の波、その波を進む会社という船
そもそもの「不安」の正体は、先が分からないという「不確実さ」にあるといいます。
この不確実を、自分が制御できず押し寄せてくるものとして「波」という例えを用います。
その波は2種類あります。
まず一つが既存価値の崩壊、もう一つが要求水準の高騰です。この波を乗りこなし、乗り越えていくためには船が必要です。田原さんはその船を会社に例えました。
この例えにはすごく納得しました。波は高い時もあれば低い時もあります。特に波が高い時は、頑丈で推進力がある船、つまりは会社が必要になると思います。
自己学習によって船を進める
しかし、会社という船に依存するだけでは危険を伴います。間違った方向に進んだり、沈もうとしている時に心中するしかなくなります。
そこで、自己学習という「オール」を持つことで、自分のスキルを身につけ、会社の推進力(スキルアップ、会社の方向決定など)に加わることが重要と田原さんは考えています。
このことを聞きハッとしました。会社という船が向かう方向と、自分がオールを漕ぐ方向が一致している時、強力な推進力で進むことができます。
もし会社が予期していない方向に進んだ際は、別の船に乗り換えたり、自分で小さな船を使って脱出したりすることができます。
自己学習は組織に貢献する手段であると同時に、自分自身のキャリアを守り、さらに進める戦略なんだと実感しました。
生成AIの波は下層から
田原さんは、生成AIによって引き起こされる不確実性の波は、コーディングやデータ処理といった実行層から押し寄せるといいます。
したがって、より抽象度が高い上層へとスキルアップにより避難することが重要となります。
実際、私の普段の業務のうち、コーディング作業はほとんどなくなりました。AIエージェントと一緒に作った仕様書を元に、別のAIエージェントに作業を依頼し、出来上がったものの全体を確認する流れとなっています。
ふとAIを使わずにコーディングをしようと思った際、全然書けなくなっていた自分に驚くとともに、自分のスキルはこれで良いのだろうかと不安になったことがありますが、下層から生成AIに代替されるという話を聞いたことで、人間がすべきことは何かというのが明確になりました。
しかし、AIが主に行う実行層のことを何も知らないと、AIに指示を出すこともできないはずです。上層を学ぶとともに、ここも自己学習を行って身につけるべきと感じました。
AI時代においての自己学習の意義を強く意識付けられた、素晴らしいLTでした!
まとめ
自己学習の行い方から心掛け、自己学習の意味、自己学習で得られたことなど、多くのことを知ることのできたLT会でした。
このLT会に参加するまでは、自己学習というのは時間ができた時にモチベーションを持って行うものだと考えていた面がありました。
しかし今では、自己学習は継続的に行うことで初めて意味を持つものだと感じています。
私の自己学習としてまずは、15分早起きして、積読されている技術本やビジネス本を読む習慣を作ります!


