何のために働いてんだっけ」── 迷子になっていた25卒セールスの僕が、内製開発Summitで見つけたヒント
記事サマリー
受託企業のセールスとして目標数字を追う日々の中で、「何のために働いているのか」を見失いかけていた入社1年目の僕。そんなときに出会ったのは、クライアントのビジネス変革に自分事としてコミットするエンジニアの姿でした。
内製開発Summit 2026で語られたカシオ計算機の事例から、ビジネスの核心に踏み込むことの大切さを学べる記事です。
こんな方にオススメ
仕事のあり方に悩んでいる若手社会人
クライアントの「ビジネス」に踏み込みたい受託会社のエンジニア
はじめに:何のために働いてんだっけ
こんにちは。株式会社メンバーズの笹原です。 25新卒としてメンバーズに入社し、普段はエンジニアリング事業部門のセールスとして働いています。
執筆時点で入社して丸1年ほど経ちますが、セールス活動に没頭する中で、ひとつの素朴な感情が芽生えていました。
「自分って何のために働いてんだっけ」
セールスとして目の前のタスクに埋没したり、目標数字に追いかけられたりする中で、「自分がどこで、何のために、どんな価値を出すために働いているのか」が見えないことが、潜在的なストレスになっていきました。
セールスに対する期待値が「数字を取って来ること」にある、といったことはよく耳にしますし、僕もその自覚を持ち取り組んでいます。でも僕が見出したかったのは、その数字が持つ本質的な意味でした。「売上を伸ばす」は企業が成長・存続するための大前提となる指針であることは間違いない。ですが、メンバーズという企業にとって、その数字がどんな意味を持つのか。それが何に繋がり、どんな価値を産んでいるのか。日々与えられた業務をこなすだけでは、そこが見えてこず、辛いものがありました。
僕は安易に”やりがい”を求めて働いているわけではないですが、セールスの成果の意味を置き去りにしたまま機械的に数字を追えるほど、器用な人間でもありません。鬱屈する日々を過ごすうちに、一時期は周囲からも心配されるほど、心身共にすり減ってしまっていたように思います。
そのような悩みと向き合って過ごしていた中、出典ブースのサポーターとして参加したイベント「内製開発Summit 2026」。そこでトークセッションに登壇した当社のエンジニア、早坂の話を聴いたことが、「自分が何のために働いているのか」について改めて見つめ直す大きなきっかけとなったのでした。
内製開発Summitとは
まずは簡単に、僕が参加したイベントの概要を紹介します。
内製開発Summit 2026とは
ご存知の方も多いと思いますが、ファインディ株式会社主催の大型カンファレンスです。
大手を含む約20社ほどの企業が登壇し、内製開発の成功事例に限らず、現場のリアルな苦労や内製開発におけるAI活用状況など、内製開発に携わる様々な企業、担当者にとって非常に有益なセッションが繰り広げられました。
開催日: 2026年2月25日(水)
会場: 浜松町コンベンションホール(オフライン開催)
公式サイト:https://inhouse-dev-summit.findy-tools.io/2026#sponsors
上記イベントに、当社、株式会社メンバーズCross Applicationカンパニーから早坂が登壇しました。エンジニア兼マネージャーとして活躍している、笑顔の素敵なナイスガイです。
今回は現在も支援を続けている当社の顧客のリプレックス株式会社(カシオ計算機株式会社のグループ企業)代表取締役、大中 邦彦氏と共同登壇という形で、「内製開発を成功に導くための共創型支援の実例」をテーマに講演を行いました。
左:株式会社メンバーズ Cross Applicationカンパニー 早坂 貴大
右:リプレックス株式会社 代表取締役 大中 邦彦氏
カシオ事例:ハードから「サービス」への転換
続いて、セッションの核心である、カシオ計算機株式会社様(以下、カシオ様)との取り組みについて触れたいと思います。
カシオ様といえば、G-SHOCKに代表される時計事業で著名な大手企業です。現在、当社はカシオ様、そしてカシオ様のグループ会社としてアプリ開発を担うリプレックス株式会社様(以下、リプレックス様)とワンチームになり、「CASIO WATCHES」アプリの開発をご支援しています。
ここまで読んでいて、「時計というハードを扱う企業において、アプリケーションが果たせる役割って何?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。セミナーにおいても、これまでのカシオ様の文化は「ハードウェアの品質を高める」ことを優先してきたといった話を耳にしました。
ですが現在、カシオ様が取り組んでいるのは、事業を「時計の製造販売」から、「時計のある体験(サービス)」へと転換する試みです。スマホの台頭などで加速する時計離れの中で、時計が持つ価値のあり方を見直し、ユーザーへ新たな価値還元を行おうとしているのです。
そのような状況下で、当社およびリプレックス様は、「カシオ様の時計を持つ人の日常」を繋ぎ、「新たなユーザー体験を提供する」ものとしてのアプリケーション開発を実施しています。
※カシオ様との事例については当社ウェブサイトでも紹介されています。ご興味ある方はぜひ!
開発を超えて「ビジネス」を語る──エンジニア早坂が示した、パートナーとしての矜持
このカシオ様の大きなビジネス変革の最前線に、当社の早坂がどのような姿勢で向き合っていたのか。そこに、僕が抱いていた「何のために働いているのか」という問いへの、ひとつのヒントがありました。
セッションの中で僕が一番衝撃を受けたのは、早坂がクライアントのビジネスや企業文化を、紛れもなく自分事として語っていた姿です。
受託開発におけるエンジニアは、「仕様書通りに、バグのないコードを書くこと」をワークの範囲としてしまいかねません。しかし、早坂の目線はもっと先にあり、単なるアプリ開発に留まらず、「アプリを通してサービスを作ること」に主眼を置いていました。その、一歩踏み込んだ視点で伴走することこそ、メンバーズが提供すべき価値であり、当社のビジネスの核心でもあるとも捉えていました。
「カシオのビジネス変革にどれだけコミットできるか」に自分たちの価値が、ビジネスがあるのだと、本気で思い、本気で実践しているからこそ、早坂は自分の言葉でクライアントのビジネスも語れていたのです。 彼のそのような仕事への姿勢に、僕は感銘を受けました。
開発エンジニアとしてプロジェクトに参画している以上、「サービスを作る」という壮大なテーマがありつつも、時として目の前のアプリ開発業務に忙殺される瞬間も多々あったはずです。
そんな中でも、アプリを通してサービスを作り、サービスを通じてカシオのビジネスに貢献するという高い視座を持ち続けていたからこそ、早坂の「ビジネス」を語る言葉には熱意や真実味があるのだということが、鮮烈に胸に刻まれました。
自分の仕事とビジネスの繋がりを言語化できるレベルまで深く理解して初めて、本当のやりがいや熱意が宿るのだと感じたと同時に、カシオ様との仕事がセッションで語れるほどの「事例」へと昇華されている理由も、そこにあるのだと納得したのです。
彼は最後に、内製化を成功させるには「世界観を共有出来る唯一のパートナー」を見つけることが重要だと語りました。僕はこの言葉の裏に、その高い理念を担わんとする、プロフェッショナルとしての強烈でポジティブなプライドを、ひしひしと感じました。
そのような「仕事人のプライド」を間近で見る機会の少なかった僕は、セッションが終わる頃にはすっかり感動しきっていたのです。
おわりに:何のために働いているのか
このセミナーを聞いたうえで、早坂の例から翻り、自分はどうだったか。
僕がセールス1年生として右往左往する中で「ビジネス」を見据えていたのか。答えはNOです。
もちろん、自分なりに懸命に取り組んではきました。しかし、目前の業務を遂行することに追われ、自分の仕事が持つ意味や全体像を俯瞰できるような視座も余裕もない中では、心が疲弊していくのも無理のないことだったと、今は分かります。
ドストエフスキーが人間を壊す方法として「労働を徹底的に無益で無意味なものにしさえすれば、それでよい」と書いていましたが、僕の日々の手応えはまさにその状態に陥っていました。「俺ってなんか意味のあることをしているんだろうか」と、苦しくなっていました。
しかしあの日、早坂の言葉を聴いて気づきました。僕の仕事を「無意味なもの」にしていた犯人は、会社でも、環境でも、数字でもなく、「仕事の解像度を上げることを放棄していた自分自身」だったと。
早坂は開発エンジニアという枠を超えて、自社と顧客双方のビジネスを深く理解し、その上で顧客にとって最良のパートナーであろうとする姿勢にプライドを持つことこそが、自分と自社が提供できる真の価値なのだと、その背中で示してくれました。そのような中、セールスとしてビジネスが動いている瞬間を最前線で見ている僕が、仕事の全体像や「ビジネス」を理解しないでどうするんだ。今はそう、自省しています。
「何のために働いているのか」
その答えは、誰かから与えられるものではなく、自問の中に見つけられるものでもありません。自分の仕事が、誰のどんなビジネス成果にコミットしているのかを、執念深く理解しようとするプロセスの中に存在しているのです。
幸いなことに、僕の周りには早坂のように、職種の壁を超えてビジネスの成功に本気になれる仲間がいます。今年の4月で入社2年目。セールスとして求められることの強度はより増してきます。辛くないといえば嘘になるでしょう。
それでも、いつか僕も、自分の手がけた仕事が、誰かの心を動かす「事例」となるその日まで。まずは目の前の一件から、ビジネスの核心に踏み込む一歩を始めていこうと思います。
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