【インテリアコーディネートでアジャイル開発を学ぶ!?】 日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修潜入レポート 

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Yuna Hashimoto

2024年07月18日

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はじめに

こんにちは。BEMALab編集部の橋本です!
2024年6月19日(水)に第4回目の日本CTO協会主催の新卒エンジニア合同研修へ参加してきました!

第4回目は、株式会社メンバーズが研修を担当し、クロスアプリケーションカンパニーOpen in new tab社長の秋野を中心に5名が講師役として参加しました。
会場は協賛の株式会社レバレジーズ様のオフィス(渋谷スクランブルスクエア)で開催
されました。
※第2回の研修も取材させていただきました。記事はこちらOpen in new tabです!

日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修とは

現代のビジネスでは、エンジニアは企業にとって重要な役割を果たしています。しかし、世間的にはエンジニアの不足が叫ばれており、その不足を解消するためには、採用だけでなく育成にも注力する必要があります。
このような課題を背景に日本CTO協会では、各社の新卒採用の負担が少なく、多角的な研修を提供するために、合同研修企画をこの6月から始められました。
※詳細はこちらのプレスリリースOpen in new tab記事をご覧ください! 

研修テーマは「インテリアコーディネートを通じてアジャイル開発を学ぶ」

今回のテーマは、「インテリアコーディネートを通じてアジャイル開発を学ぶ」という内容でした。

プログラミング言語を用いず、アジャイル開発と一見関係のない「インテリアコーディネート」という一風変わったこの研修テーマ。
この研修の意図や背景について、講師である秋野は以下のように教えてくれました。

  • アジャイル開発には多様な手法や理論が存在するが、実業務ではプロジェクトごとの制約の中でユーザーやクライアントとコミュニケーションを取りながら臨機応変に進める必要があること
  • 目の前の業務遂行やクライアントの要望に応えることに集中するあまりに、アジャイル開発の考え方や目的から逸脱・乖離してしまうことが往々にして起こりうること

こういった講師自身の現場での体験から、時間やクライアントと話す機会が限られているという制約の中で、クライアントの要望に対応する柔軟な思考を養うために、座学的な内容でなく実践的なアプローチが設定されました。

参加者は、これまでのプログラミング経験によって体験に差が出ないように、家の間取りやデザイン、家具の配置をシミュレートできるツールを用いながら、アウトプットを基に改善を繰り返す、アジャイル開発のプロセスを体験しました。

インテリアコーディネーターを通じてアジャイルな物事の進め方を体験

冒頭、チーム同士で顔合わせの時間がとられ、その後早速ワークショップへ移行しました。参加者は時間の制約などに苦戦しながらも、クライアント役の講師へのヒアリング、そこからブラッシュアップをする過程を3回繰り返し、相手のニーズを考えながら提案を重ねていました。

どのチームも終了時間まで目一杯お話しされ、終始和気あいあいとした雰囲気で円滑にコミュニケーションを取られている姿が見受けられました。

チームで真剣に作戦会議をする様子が見受けられました
チームで真剣に作戦会議をする様子が見受けられました

今回は私も講師(クライアント役)として参加させていただきました!
クライアントの立場から、2つのチームにインテリアコーディネートを依頼し、同じ要望に基づいて異なる部屋のレイアウトを提案していただきました。
家主のペルソナは「ルームツアー動画を見過ぎた社会人1年目の一人暮らし」で進行しました。

初回のヒアリングを受けた際、部屋のテイストを「北欧テイスト」にしたいという要望があり、それに基づいて北欧家具で有名なIKEAのシュミレーター”IKEA Kreativ/IKEAクリアティーヴOpen in new tab”を使用して作成していただきました。

以下、実際に提案いただいたレイアウト図をご覧ください。

初回の部屋(チーム1)
初回の部屋(チーム1)

こちらのフィードバックでは、北欧家具を取り入れ、収納ができ、リモートワークのできる部屋にして欲しいと依頼しました。(画質荒いですがご了承ください...)

最終フィードバックを終えて完成した部屋(チーム1)
2回目のフィードバックを終えて完成した部屋(チーム2)

こちらのフィードバックでは、北欧感と作業机を取り入れた部屋にして欲しいと依頼しました。

最終フィードバックを終えて完成した部屋(チーム2)
最終フィードバックを終えて完成した部屋全体(チーム2)

ぬいぐるみを取り入れてほしいという要望はありませんでしたが、
ペルソナ像から遊び心のある人だと想像して、サメを導入していただきました!笑

こちらの理想を汲み取って期待を超える素晴らしいレイアウトに仕上げていただいた際は、クライアントとして非常に満足感が得られ、提案いただいたチームへの信頼感も高まることを実感しました。
技術力はもちろん重要ですが、それ以上にクライアントのニーズを正確に想像し、理解する力が求められます。

クライアント役を通して、私自身も常に相手の期待値の一歩先を行くことの重要性を実感しました。
また、プログラミング経験によって大差が出ないように設定されていることで、対等な提案や柔軟な思考を生み出すことができ、アジャイル手法を体現する取り組みとして非常に良かったと思います!

講師からピックアップされたチームの発表

ワークショップの最後には、講師からピックアップされたチームがプレゼンをする場面も。クライアント役からの断片的な情報を基に、クライアントが言語化していないニーズにも着目し、提案にしっかり盛り込んでいたことが高評価を受けていました。

参加者の集合写真

本研修へかかわった方のコメント


参加したメンバーズ社員のコメント Y.K(エンジニア 新卒2年目) 

研修内容

タイトルが、技術的な要素を排除していることで、スキルに自信が無い若手でも参加しやすく、魅力的に感じました。例えば「Webサイトを作りましょう!」といったタイトルだと、専門的な知識を持つ人々中心にワークが進む可能性もありますが、異なるバックグラウンドの参加者が平等に意見交換できる形で満足度が高まりました。

最終的な総括として、スクラム開発をしたからといって上手くいくとは限らないといった点にも触れていたことが印象的でした。アジャイルを推し進めようとしても、顧客がレビューへ毎回参加してくれるとは限らなかったり、納期などの制約の問題で時間は有限であるなど、数多くの現場を経験したからこその苦労や知見があり、学びになりました。

エンジニアには、技術はもちろん必要である半面、それだけではなくコミュニケーション能力も必要であると再認識させられるワークショップでした!
今後も技術力はもちろんのこと、クライアントと向き合う中で相手の真意を汲み取り、本当に解決すべき課題に対してアプローチできるよう頑張りたいと思います!

講師からのコメント 秋野 郁実(株式会社メンバーズ)

今回は「インテリアコーディネートで学ぶアジャイル開発」の講義に参加いただきありがとうございました。
皆様の講義中の積極的な姿勢のおかげで、とても楽しい会になったと感じています。

今回はアジャイルがテーマでしたが、具体的な手法などの説明はほとんど行いませんでした。
頭で理解するよりも、実際に体験して反省を通してアジャイルに触れるほうが、より本質的な理解につながると思いこのような形にさせていただきました。

アジャイル開発というのは頭で理解するのはそれほど難しくないと思います。しかし実践はとても難しいです。
常に広い視野(プロジェクト全体やクライアントの視点)と狭い視野(技術や制約やスケジュール)の両方を持たないと、アジャイルな開発はできません。

今回の講義を通して、その2つのバランスをとることの難しさを「体験」していただけていたらとても嬉しく思います。
私は、参加した皆さんのことを今後の日本を支えていくかけがえのない人財だと思っています。
この一連の研修を通してさらに成長していただき、今後の日本社会を盛り上げていってもらえればと思っています。

自分自身もこれから活躍していかなければならない世代なので、
共に切磋琢磨しながら社会に貢献できることを楽しみにしています!

最後に

アジャイル開発は、チーム主導で設計・実装・デプロイを短期間に繰り返し、ユーザーが得た価値を学習し適応することで、より良い成果物を作り上げるプロセスです。
理論的には優れたアプローチでも、実際の開発現場では思うように進まないことを体現することができる、今後エンジニアとして働く新卒にとって貴重な研修になったと思います。

この講義を通じて、技術者としてのスキルだけでなく、ヒアリングから得た情報を基に、どれだけ優れた成果物を作り上げるかが非常に重要であることを再認識しました。

今回、取材させていただいた皆様ありがとうございました!
次回の取材レポートもぜひご覧ください👀

この記事を書いた人

Yuna Hashimoto
Yuna Hashimoto
2023年にメンバーズに新卒で入社。 本メディアBEMA Labのディレクター/編集などを行っています。
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