【生成AIの最前線に迫る!】日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修潜入レポート
はじめに
こんにちは。BEMALab編集部の橋本です。
2024年7月24日(水)に、日本CTO協会主催の新卒エンジニア合同研修へ参加してきました。
第8回目は、日本マイクロソフト株式会社様が研修を担当し、会場は日本マイクロソフト本社で開催されました。
※前回研修の取材記事はこちらです。
日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修とは
現代のビジネスでは、エンジニアは企業にとって重要な役割を果たしています。しかし、エンジニアの不足が叫ばれており、それらを解消するためには、採用だけでなく育成にも注力する必要があります。
日本CTO協会では、各社の新卒入社後の研修負担を減らし、かつ多角的な研修内容を提供するために、合同研修をこの6月から開始しています。
※詳細はこちらのプレスリリースをご覧ください!
生成AIの背景と講義の目的
本講義は、生成AIの実務的な活用法に焦点を当てた内容です。
特に、LLM(大規模言語モデル)であるGPTを活用し、ビジネスや日常の業務にどのように役立てるかが具体的に説明されました。
基本的な仕組みから、具体的な応用方法まで幅広く取り上げられ、特に「生成AIがもたらす新しい可能性」についての考えを深めることができました。
参加者は、開発に直接携わっている人もいれば、生成AIに触れたことがあるものの、まだ本格的に利用していない人もいましたが、初めて生成AIに触れる方にもわかりやすく運営されていたため、安心して講義に参加することができたようです。本記事もこれから生成AIに関わろうという方々にとって、理解の助けとなる内容になっていますので、ぜひご覧ください。
LLMの仕組みとGPTの概要
講義の冒頭では、AIの基礎となるLLM(大規模言語モデル)についての説明が行われました。LLMは、膨大なデータを学習して、次に続くトークン(単語や文字)を確率的に予測する技術です。講師は、AIがどのようにして自然な文章を生成するのかの説明を受け、AIが文章を生み出すプロセスが非常に緻密であることを再認識しました。
AIの進化は単なる技術革新だけではなく、私たちの生活や仕事の在り方を変えていく可能性があると感じました。特に、当日紹介された「Attentionメカニズム」による文脈の理解や、長文の生成能力は、まるで人間と対話しているかのような、生成AIの進化を感じました。
これにより、AIがさまざまな場面でその真価を発揮し、より高度なサポートを提供する未来が見えてきます。生成AIの活用をさらに進めることが重要であり、今後の技術の進展に期待が高まります。
実務におけるAIの活用例
講義では、生成AIがどのように実際の業務で活用されているか、いくつかの事例が紹介されました。特に注目すべきは、ChatGPTやMicrosoftのCopilotなど、すでにビジネスの現場で実践的に利用されているツールです。たとえば、文章の自動生成はもちろん、データの分析やコンテンツの制作にまで応用されていることを知り、AIの柔軟性に驚かされました。
この部分が、特に私自身の考えを大きく変えるきっかけとなりました。
これまではAIを単なる補助的なツールとしか見ていませんでしたが、実際には「共に働くパートナー」としての役割を果たすようになるのではないかと感じるようになりました。
最近では、本メディア(BEMA Lab)のコンテンツ制作や分析、プロジェクト管理など、さまざまな面でAIを活用しています。今後も積極的にAIを活用し、さらなる成果を上げていきたいと考えています。
AIを最大限に活用するためのスキルとは?
また、AIに正確な指示を与えるプロンプトエンジニアリングという言葉が頻繁に登場しました。「曖昧な指示はAIにとっても難しい」というのは、まるで人間が不明瞭な指示を受けた時と同じです。この点において、人間とAIのコミュニケーションがより洗練されていく必要があることを痛感しました。
AIが最適な結果を返すためには、曖昧な指示ではなく、具体的で明確な問いかけが必要です。AIに適切な指示を与えるスキルは、今後ますます重要になってくるとのことで、AIを使いこなす上でのヒントになりました。
さらに、「Chain of Thought(思考の連鎖)」という新しい概念も紹介されました。
これは、複数のステップを踏むことでAIの推論能力を強化する手法です。AIが段階的に問題を解決していく過程を観察することで、より正確な回答を得ることができるという点は、今後のAI利用において実践的に役立ちそうです。
マルチモーダルAIの未来
最後に、講義では「マルチモーダルAI」についても触れられました。例えば、OpenAIが発表した動画生成AI「Sora」の登場は、これまで難しいとされていたテキストから動画生成への道を開きました。将来的には、UIやUXも音声やジェスチャーといった新しいインターフェースに進化し、従来のテキスト入力から脱却することが期待されています。
講師も言及していたように、UI(ユーザーインターフェース)そのものが劇的に変わる可能性があるという点は、未来を感じさせる内容でした。
特に、複数のメディアを統合して一貫したコンテンツを生成する能力は、未来のAI像を感じさせられます。
本研修へ関わった方のコメント
参加したメンバーズ社員のコメント Y.K(エンジニア 新卒2年目)
今回の研修では、LLM(大規模言語モデル)やAzure OpenAI Serviceにおけるプロンプトエンジニアリングについて学びました。特に、Azure OpenAI Serviceの「System prompt」「Few-shot」「User prompt」という3つのカテゴリーがあり、それぞれに応じた適切な内容を設定することで、AIを最大限に活用できることを知りました。
また、ユーザーから必要な情報が不足している場合にどのように対処するか、さらにはAIの精度を高める手法についても学びました。印象に残ったのは、出力をJSON形式にすることや、情報を引き出すためには必ずしも対話形式にこだわらず、チェックボックスなど他の方法を検討することが重要だという点です。また、AIに段階的な思考をさせ、再帰的に学習させる手法についても、新しい視点を得ることができ、非常に有益でした。
最後に
今回の講義で、個人的に最も印象に残ったのは、生成AIが持つ「未来のパートナー」としての役割についてです。
これまでは、AIをどこか冷たい、無機質な存在と捉えていましたが、実演を通して、その柔軟性や応用範囲の広さに感銘を受けました。
生成AIが単なる「道具」ではなく、ビジネスや日常生活の様々な場面で本格的に活用されていることを実感しました。特に、私たちがより効率的に仕事を進めるための「パートナー」としての役割を果たす可能性がある点が印象的でした。
今後は、AIをどう使いこなすかが私たち自身の成長に大きく関わってくるのだろうと感じます。
自分自身もAIを使いこなせるように、さらなる学びを続けていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考資料(講義資料)
ChatGPT - LLMシステム開発大全 - Speaker Deck
この記事を書いた人
関連記事
- 【ISUCON研修】日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研...
Yuna Hashimoto
- Google Cloud Next Tokyo’24に参加し...
Maho Hattori
- 【AWSの基礎から学ぶ Webアプリケーション構築入門】日本...
Yuna Hashimoto