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【第2回/エンジニアの働き方・キャリア】日本CTO協会主催 新卒エンジニア合同研修潜入レポート

はじめに 

はじめまして、株式会社メンバーズ25卒の蒔苗です。
今回、5月21日に開催された「第2回日本CTO協会主催 エンジニアの働き方・キャリア研修」へ参加させていただきましたので、本記事にて研修内容をお伝えしてまいります!
本研修へ参加したのは、弊社からは6名、他会社も入れると100名以上の新卒社員の方々が参加されていました。

CTO研修開催の背景

昨今、様々な会社でエンジニアが積極的に採用されています。ただ、日本では人口減少やDX推進等の影響により、エンジニアが足りていない会社が多くあります。このようなエンジニア不足の解消を目的とし、次世代のエンジニアを育むため本研修プログラムが開始されました。

※詳細については下記を参照

また、同じ会社の同期だけでなく、他会社の同期といった横のつながりを増やすため、講義と同等のボリュームで懇親会も執り行われました。

会場である株式会社LayerXの本社エントランス
会場である株式会社LayerXの本社エントランス

研修の主題は「エンジニアの働き方・キャリアについて」

キャリアのスタートラインに立つ私たち新卒社員に向けて、エンジニアリングやマネジメントで最前線を走る方々から、キャリアにおける考え方や実践すべきことを教えていただきました!

「AI時代の新卒エンジニアに必要な変化と学習」と、「キャリアの考え方とフォロワーシップ」、この2本立てで学んだ内容をお送りしていきます!

エンジニアの方に限らず、キャリアの積み方に悩む方が参考にしていただき、ご自身のキャリアについて考え直すきっかけとなれば幸いです。

AI時代の新卒エンジニアに必要な変化と学習

最初の講義は、株式会社ProgateにてCTOを務められている島津真人氏により行われました。

初めに、SlidoOpen in new tabというリアルタイムで投票や質問を行えるツールにて、新卒エンジニアに対しAIについての質問がいくつかされました。
質問には「エンジニア不要論、ほんとだと思う?」といったものがあり、新卒エンジニアの意見としては「違う」という意見が多くを占めました。

エンジニアとしての働き方が大きく変わる中で、日々進化し続ける必要があるということを本講義にて学びました。

“Hello World”からbolt.newへ

今までは、公式チュートリアルをみて自分で手を動かしながら学ぶスタイルだったものが、今では生成AIに答えを出力させ、後追いで生成されたものから学ぶスタイルへと変化していると述べられていました。
「初めから生成AIを使うのはどうなんだ?」という考え方を持っていた筆者にとっては、意表を突かれる内容でした。

ただ、生成AIを活用し短時間で効率的にアウトプットしていくためには、詳細なプロンプトを入力する必要があり、プロンプトエンジニアリングを教える教育者が必要になってくるとも言われていました。

最近では、生成AIの普及と性能向上により、プロンプトエンジニア不要論も囁かれており、この辺りの情勢も注目していく必要がありそうです。

また、今後の課題として、AIに簡単な作業を任せてしまう影響で、オンボーディング研修に適切な作業がないことが挙げられていました。このことから、これからの若手エンジニアに求められるものが、単純作業からAIを利用した複雑な作業へと変わっていくのだと、改めて生成AIの重要性を実感しました。

ここで、先ほど出た質問に戻りますが、人間はAIに代替されてしまうのか?
島津氏の答えは「NO」でした。
AIに単純作業を任せたとしても、次にやらないといけない作業が出てくるし、AIに任せた分そのリソースを他に割けるので、よりたくさんの仕事をこなせるようになり、成功する可能性が増えるということでした。
AIを活用した業務や経営モデルのベストプラクティスは数少なく、まだまだブルーオーシャンであり、そこに潜在する可能性を見出すことを若手エンジニアは求められているのではないでしょうか。

AI以下/AI以上

本研修で特に印象に残った言葉として、「AI以下/AI以上」というものがあります。

「日々アップデートすることを前提として、アップデート手法を変えていく必要がある。」

今後のエンジニアは、アウトプットに重きを置き、アップデートスピードを上げていくことを心がける必要があります。
また、生成AIを使いこなし、自身だけでなく周囲も巻き込んだ上で、組織全体でアップデートを積み重ねていくことが大切になります。

休憩中の写真  登壇者 (左)松本勇気氏 (右)島津真人氏
休憩中の写真 登壇者 (左)松本勇気氏 (右)島津真人氏

キャリアの考え方とフォロワーシップ

2つ目の講義は、株式会社LayerXにて代表取締役CTOを務められている松本勇気氏により行われました。

まず初めに、新卒エンジニアに対し将来の方向性が見えているかを聞かれ、「まだよく分からない」と答えた方が多くいました。

この変化の激しい時代のなか、将来のビジョンを明確にすることは中々難しいように感じます。そのような時代の中で若手が持つべき心構えとはどういったものか、その心構えを元にどう行動すべきなのかを本講義にて学びました。

投資家的思考

「投資家的に考えるキャリアのあり方」という非常に興味深いテーマから入りました。
「人からの信用や知識・経験、健康、富、時間...」といったものは、全て人生における資産であり、その資産を自分の決めた方向性に向けて投資し、さらに資産を増やしていく。
また、レバレッジをかけ、自身の持つ資産以上のものに投資・挑戦していくことで、より高いレベルで経験を積むことができると投資の手法を交え説明されていました。
AIによる時代の変化は目覚ましいものとなっています。この変化こそ投資のチャンスと考え、目先の利益ではなく長期的なリターンを念頭に置いて、投資と資産の積み上げのサイクルを回していくことも重要になります。
変化への投資については、「周囲から否定的な意見が挙がることもあるが、否定されたとしても自身のファクトとして動いていく」と語られていました。
※レバレッジ:自身の持つ資産以上のものを取引すること。または、その倍率。

ただ、レバレッジをかけるとリターンが大きくなる分、リスクも大きくなるので、リターンとリスクのバランスには注意が必要です。

健全に嫉妬する

自らの常識を決めるのは周囲のコミュニティであり、自分ではない。コミュニティの平均値を上げることで自身の持つ普通のラインも高まる。
また、周りの仲間がキャリアを登る姿をみて「健全に嫉妬する」ことで、自身の成長に繋げていくと述べられていました。

「どこで」ではなく「だれと」仕事するのか。周囲に尊敬できる先輩や負けたくないと思える同僚を見つけ、努力を習慣化していきましょう。

最初の10年で決まる

今、20代のみなさんは可処分時間が多いですが、今後ライフスタイルの変化などにより、年々その可処分時間は減っていきます。
特にこの時期の可処分時間をどう使うかが将来の「資産」の量に直結すると語られていました。
さらに、その資産に対しレバレッジをかけることでさらなるリターンが見込めると説明されていました。

「目標を変えるのは動いた後!決めたら走れ!!」

この言葉は、筆者が本研修内で特に響いた言葉の1つです。
方向性をまず定め、自身の目標を明確にする。
その目標までの道のりを短期・中期へと細分化し、そこで得られた結果を元に長期目標をマイナーアップデートしていく。このサイクルを回していく。
長期目標達成に向けて決めた短期目標をまずやり遂げる。このことを特に強調されていました。

遠くへ行きたいならみんなといけ

アフリカのことわざに、

“If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.”
(早くいきたいなら1人でいけ、遠くへ行きたいならみんなといけ。)

というものがありますが、このことわざと同様のことを松本氏はおっしゃいました。

チームの必要性とは何なのか?

1人の方が仕事は早いです。これは、どのような作業でも言えることです。「ミーティングがない分意思決定が早い」、「他人への配慮が不要」など自由に動くことができるからです。
ただ問題点として、「1人では多大な作業を振られた時に対応できない」、「AIを活用しても大きな機能の開発には人間の一貫した思考が必要」といったものがあります。
この問題を解決するためにチームが必要となります。しかし、ただ単にチームを組むのではなく全体で意思を統一していくことが重要になると述べられていました。

自己開示から始めるマネジメント

チームの成果はメンバーのモチベーションと能力の総和であることを以下の式で表されました。

チームの成果 = Σ各位のモチベーション × 各位の専門性、能力

メンバーのモチベーションを保つのはマネージャの役割です。しかし、どのようなマネージャであっても完璧にマネジメントすることはできません。そこで、マネージャを支援するために重要となるのがフォロワーの自己開示です。

・何が楽しいか
・何を目指したいか
・何がわからないか
・何が目標でどのような状況か

このようなことをこまめに伝えることで信頼関係が構築され、マネジメントを効果的に行うことができるようになります。

ただ、自分の考えを伝えることは難しい。ということで、その助けになる書籍をおすすめされていました。
この言語化能力は、プロンプトエンジニアリングにもつながるので、ぜひご一読ください。
考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則  (バーバラ・ミント著)Open in new tab

また、フォロワーの考え方として

“Disagree and Commit”
(反対でもコミットする)

という言葉を紹介されていました。
これは、アメリカの実業家であるScott McNealy氏によって発信されたものです。
※参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Disagree_and_commit

たとえ、納得できないようなことでも決まったことに対しては全力でコミットする。有限である時間を「嫌だな」と腐して浪費するのは無駄だ、と強く語られていました。

乗りかかった船ならば全力で漕ぐ、この覚悟を持つことが周囲を支える存在となり、自身のキャリアを切り拓く原動力となるのだと思いました。

懇親会

懇親会では、7人程度の人数で一つのテーブルを囲み、おにぎりやお菓子を食べ、お酒を飲みながら歓談しました。とてもおいしかったです。

モバイルアプリやIoT、機械学習と様々な技術に触れてこられた方々と、「なぜエンジニアになろうと思ったのか」や「今までどのような技術に触れてきたのか」「どういったアウトプットをしてきたのか」を語り合いました。
参加されている新卒の方々は向上心に溢れており刺激を受けることの多い懇親会となりました。
この刺激を風化させず、日々のモチベーションにつなげ、アウトプットを重ねていきたいと思います。

最後に

今回の研修では、AI時代のエンジニアとして、いかにAIを活用し効率的にアウトプットを最大化するかの重要性を深く理解できました。さらに、「部下」として、そして「エンジニア」としての振る舞いやキャリアの歩み方を考え直すきっかけとなりました。

この記事を通して、研修の熱量をそのままお伝えすることは難しいですが、読んでくださった皆様が一つでも新たな気づきを得ていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

蒔苗 純平
蒔苗 純平
2025年新卒として株式会社メンバーズへ入社。現在、エンジニアとして配属されるべく鋭意研修に取り組んでおります。
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