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日本国内での採用競争が激化する中、より多くの優秀なエンジニアを集めるためにインド人エンジニア採用から活躍までを検討

はじめに 

こんにちは、株式会社メンバーズ Cross ApplicationOpen in new tabカンパニーの秋野です。

メンバーズではインドの優秀な人材を採用して、よりハイレベルなクライアント支援を行うべく、3度目のインド視察を行いました。
1度目の視察では「インド事情の把握」、2度目の視察では「インドの学生のスキルの把握や学校の把握」、3度目の今回は「メンバーズで活躍することができるインド人エンジニアを見つける」を目的に視察を行いました。

日本の人口が減ることで、今後は日本国内でのエンジニアの採用が激化、日本企業のサービスグローバル化が進むと予測される中で、どのようにエンジニアを確保してクライアントの要求に対応するのか?

メンバーズのエンジニア組織では、その施策の1つとしてインド人を含む高度海外人材の活用を検討し、インド人採用の検討を進めています。

特にインドはITスキルの高い人材が多いことや、英語が広く利用されているため、日本語と英語のバイリンガル人材としての活躍も期待できることからメンバーズとしても注目をしています。メンバーズとしてもグローバルなプロジェクトの支援を強化していく目線でバイリンガル部分にも期待しています。

どんなインド人エンジニアなら活躍することができるのか?

エンジニアの業界では、ずいぶん前からオフショア開発なども行われているためインド人エンジニアと仕事をしたことがある人も多いかもしれません。そして多くの人がその難しさに苦労した経験があるのではないでしょうか。メンバーズでも単なるオフショア開発ではうまくいかないと考えて、どうすればインド人エンジニアでも活躍することができるのかを模索しています。

メンバーズでは以前から「日本にいる外国人エンジニアの採用」は行ってきており、外国人エンジニア採用そのものが未経験というわけではなかったため、現場経験をもとにメンバーズで活躍するためには以下の要素が重要だと考えています。

技術的な適応力と専門性

  • モバイルアプリ開発(Flutterなど)やWeb開発など、メンバーズが注力する分野での基礎知識や学習意欲が高いこと。

  • 広く浅い知識ではなく、特定の技術スタックを深掘りできるポテンシャルがあること。

日本語力

  • ビジネス、日常会話の両面でコミュニケーションの問題がないこと(JLPTのN1, N2レベル)

  • 日本語の資料の理解、解釈が問題なく行えること

日本の考え方理解

  • MUST

    • 品質に対する意識の高さへの理解。業務内容による部分もあるが、8割くらいの完成度で進めてくる傾向があるため、リリースを行うコードなどは品質高く作業を行う意識が必要。

  • WANT

    • 周りの動きを見てある程度状況を理解する力

    • 役割分担への曖昧さ(エンジニアとはいえコードだけを書いてはいられない)

見てわかるように、ほぼ日本人と同じように行動できる人であることが重要だと考えています。
とはいえ、そんなスキルを持った人を見つけることはなかなかできません。そのためメンバーズが狙うのは、2,3年でこのようなスキルを身につけることができる人材となります。

日本を目指すインド人エンジニアのリアル

上記のような人材を探すため、メンバーズでは日本で働くことを目指しているインド人エンジニアに目をつけました。日本を目指している人であれば、日本語学習や日本文化理解に積極的で、ある程度の下地を持っていると考えたからです。

そして、ASIA to JAPANOpen in new tab さんに紹介いただいたFAST OFFEROpen in new tabによる面接や今回のインドの視察も行いました。

面接や視察を通して分かったのは以下のことでした。

  • 日本語力が高い人は想定よりも多い。

    • 日本にいる外国人エンジニアの方よりも喋ることができる人もいる。

  • 先輩の影響や日本のマンガなどの影響で日本理解も進んでいる

    • 最近はSNSなどの影響で生活などに不安を覚えている部分もある

  • 日本の治安や公共インフラや独自の文化に憧れている人が多い。

    • エンジニアとしては広く浅く経験している人が多い

このように現時点では期待を超えてきている印象が強いです。
どんなところでそう感じたのか、詳細はこの記事で記載していきます。

3度目のインド視察の概要

過去2回の視察は以下です!

インド視察の概要について紹介します。今回の視察では「メンバーズで活躍することができるインド人エンジニアを見つける」を目的に、日本を目指している学生が多い大学の視察を中心に行いました。

視察をした学校は4校

  • Chennai Institute of Technology

  • Indian Institute of Technology Madras

  • Pune Vidhyarthi Griha’s College Of Engineering, Technology And Management

  • Vishwakarma Institute of Technology

4日間でチェンナイとプネの2つの都市を訪問しました。(普段あまり意識しないですがインドはとても広いです。)

参加者は秋野と弊社のVPoEであり3度のインド視察の全てに参加している大友の2名です。

Chennai Institute of Technology

最初に訪問したのがCITです。CITではメンバーズの会社説明をさせていただいた後、学校の研究を見せていただきました。約3時間ほどの訪問でした。

最初に訪問したこともありCITでは多くのことに驚かされました。
まずは会社説明の際ですが、簡単な私たちの紹介や学生の挨拶があったのですが、その時の司会を全て学生が日本語で行っていました。もし日本の学校で海外の方が訪問するとなった場合、司会などは先生がやると思いますし、学生に対しては日本語での説明をするのではないでしょうか。日本語に対する学校の力の入れ具合を感じます。

会社説明後の質問にも驚かされました。10分ほど質問時間があったと思うのですが、その時間ずっと生徒から手が上がり続け、会社のことや「AI時代のエンジニアはどんなことを学べばいいと思うか」などのするどい質問を受けました。中には日本語で質問をしてくれる生徒もいました。

学校案内では先生の引率で様々な研究室を回ったのですが、その間も会社説明を聞いていた生徒数名が横につき、見学の隙間で「インドにきて食べてみたい食べ物はなんですか?」や「一番驚いたことはなんですか?」など日本語でいろんなことを聞いてきました。

生徒の平均的な日本語力の高さや積極性には、非常に驚かされました。

CITでは治安の良さや公共インフラの充実度から日本の企業への就職人気が上がっており、学校としても日本企業就職へ向けた授業などを強化しているようでした。

日本への力の入れ具合以外にも驚いたことがあります。
CITの研究は研究のための研究ではなくビジネスのための研究が多いことです。企業から出資されていたり共同研究をしているものが多いとのことで、具体的な課題解決のための研究が多く、学生時代から企業との関わりを作っていることが印象的でした。

女子生徒の多さにも驚きました。学校にいる間、ずっと生徒の熱気や明るさがすごいなと感じていたのですが、最初はインド特有のものだと思っていました。
しかしよく観察してみると、多分女子生徒が多い。全体の半分以上が女子生徒では?と思うくらい多くいたので、案内してくれた先生に「女子生徒が多いように見えますがこれはインドでは当たり前ですか?」と聞くと、学校側がエンジニアリング業界のダイバーシティ強化の一環として女子生徒をより多く集めているとのことでした。(色々と優遇制度があるようです。)大体半分は女子生徒とおっしゃっていました。おそらくどの国でもエンジニアリング業界の女性比率は低いと思うので、このような取り組みからも学べることはありそうだと感じました。

全体的に感じたのが生徒の日本に対する志望度の高さです。学校や先生がそれをうまく支援している点が非常に印象的でした。

Indian Institute of Technology Madras

続いて訪問したのはIIT MadrasOpen in new tabです。インド工科大学内No1の学校です。(NIRFを参考Open in new tab

IIT Madrasでは、ここ数年で日本語の授業を少しずつ拡大しているらしく、その授業の先生に学校を案内していただくことができました。

人材の前にまず驚かされたのが学校の環境です。
国立公園の中に作られた学校ということで、敷地内はジャングルのようになっていました。シカや猿が近くを歩き回っています。また敷地の広さも規格外で、日本の皇居の2倍ほどの広さがあるとのこと。
なので学校内は車で移動します。

校内の様子(IIT Madras)

1万人ほどの学生が通っているのですが、学生の寮や先生の住居、その他施設関係者のための施設があり、小学校や病院などもあります。合計で2万人ほどが敷地内で生活しているとのことでした。もはや学校というより1つの街になっています。

IIT Madrasの生徒は、世界中の様々な企業で活躍するチャンスを手にしています。そのため相対的に給料が低くなりがちな日本の企業が人気というわけではありませんでした。日本語の授業を受けている生徒たちもアニメやマンガの影響で日本語を勉強している人が多い印象です。(その分、アニメやマンガの質問が一番盛り上がった学校でした。)


会社説明の後の質問も特徴的で「自分はこんな研究をしているが、その立場の仕事はあるか?」や「給料はどれくらいで税金でどれくらい引かれるのか?」などかなりジョブと給料によった質問が多かった印象です。やはりグローバルを視野に入れている学校の生徒なのでジョブ型思考が強いのだろうと感じました。

日本語力の点では、授業が始まったばかりのクラスだったため、まだまだ挨拶を知っているくらいの印象でした。

Pune Vidhyarthi Griha’s College Of Engineering, Technology And Management

次に訪問したのはプネにあるPVGです。
先に簡単にプネの紹介をしておきますと、プネは人口750万人ほどの都市で「東のオックスフォード」と呼ばれるほど教育機関が充実しており、名門校が多数存在しています。近年では、自動車・機械産業を中心に製造業が発展し日本企業も多数進出しています。IT分野でもグローバル企業の開発拠点が集積しています。

先に紹介したCITやIIT Madrasがあるチェンナイは、範囲によりますが800万〜1,330万人ほどの人口がいると言われておりプネよりも大きな都市なのですが、企業進出の差なのか、プネの方が町が整備されており、走っている車も高級欧州車をよく見かけました。(チェンナイでは見かけませんでした。2日しかいなかったのでたまたまかもしれませんが。)

そんなプネにあるPVGでも、会社説明をさせてもらい学校案内をしてもらいました。
PVGでは、これまでのインドの印象とかわって、生徒がとても大人しい印象でした。会社説明のあとの質問もあまり出ず、またアニメの話を振ってもそんなに盛り上がりませんでした。おやおや、何か間違えたかなとヒヤヒヤしていましたが、会社説明終了後は何人か教室に残って個人で質問をしてくれました。また記念撮影もお願いされました。どうやらシンプルにシャイな子が集まっていたようです。

学校案内で授業の雰囲気などを見学した後、学校の先生とお話の時間をいただきました。最近になって大学の運営体制が変わり、独立した授業設計などができるようになったとのことで、授業に取り入れて欲しいことなどあれば意見が欲しいと言われました。

授業の詳細についても聞いてみると、ソフトウェアの授業ではAWSやLinuxの学習、モバイルアプリやWebアプリの開発なども行っているようでした。メンバーズではすぐに使えそうなところを学習しているのはありがたいです。

CITと比べた時にわかりやすく印象的だったのが、PVGではどちらかというと先生が生徒をひっぱっている雰囲気だったことです。CITのように学生を先生が後押ししている体制と、PVGのように先生が学生を引っ張っている体制、どちらも一長一短である気はしますが、各学校の個性が出てきそうなので今後メンバーズとしては注視すべきポイントだと感じました。

Vishwakarma Institute of Technology

最後はこちらもプネにあるVITです。
PVG同様プネ大学は以下のカレッジになります。

まずは他の大学でもありましたが、先生方と日本採用についてディスカッションさせていただきました。
その模様についてはLinkedInOpen in new tabで紹介していただいています。

その後にITを専攻している学生がチーム制作をしていたので、そちらの見学をさせていただきました。
どの大学もそうですが、自分たちの売り込みには非常に熱量を感じました。
中には日本語でスライドを作成、印刷し、説明してくれる学生もいて、日本に対する関心度の高さをうかがい知ることができました。

ここでは AtoJ HiramekiOpen in new tab の代表をされているシュルティさんの授業にお邪魔して会社説明をさせていただきました。
時間の都合で授業の様子を見学することはできませんでしたが、日本のアニメや食べ物、観光地などの話をすると興味深く耳を傾け、質問してくれました。

FAST OFFERで内定を出した方の日本語力

今回のインド視察では、学校訪問とは別に内定者に会いに行く予定もありました。冒頭で紹介したFAST OFFERで内定を出した方です。

面接の時は日本語が非常にスムーズに話せていましたが、リアルで会った時にどれくらいスムーズに会話ができるかは分からなかったため、内心はドキドキしながら内定者にお会いしました。

ちなみに、この方はチェンナイでもプネでもない場所に住んでいるため、5時間ほどかけてチェンナイまで会いにきてくれていました。

結論からいうと、言葉に関する心配は杞憂に終わりました。この内定者の方とは1.5日ほど一緒に過ごしました。学校訪問にも一緒に行き、食事も一緒に取り、観光地にも一緒に行ったのですが、途中からは言葉のことを意識せずに、私は普通に方言丸出しの日本語で喋っていました。

日本語力が高いだけではありません。車での移動時にマンガの話になったのですが、内定者の口からでてきた好きなマンガは「ワンピース」「ナルト」(ここまでは予想通り)「はじめの一歩」「イニシャルD」でした。
まさかインドの方とデンプシーロールの話で盛り上がれる日が来るとは夢にも思ってませんでした。(むしろ日本の新卒とはできない話な気がします。)。

他にも日本に来たらやってみたいこと、という話をしていた時に「日本で一番美味しいのは仕事終わりのラーメンと聞いたのでラーメンを食べてみたい」と言っていたのには笑いました。もはや日本人より日本人っぽいことを言ってます。どこからそんな話を聞いたのかを聞いてみたところ、先輩が何人か日本で働いており、その人たちに聞いたとのこと。その先輩も関西や山形に住んでいたりと、日本のいろんな場所のリアルな情報を手に入れているようでした。

正直、ここまで来ると日本でうまく働けるかの心配よりも、メンバーズが日本の会社として内定者の期待に応えられるかの方が心配になってくるところです。

採用だけではない今後の課題

ここまでの話で、インド人エンジニアの日本語力の高さや日本理解の高さ、そして今後も多くのインド人が日本を目指して努力し、採用の候補になることがわかると思います。

しかし、採用候補者が多くいるからと言ってインド人エンジニア採用がうまく行くとは限りません。他にも検証しなければならないポイントが多くあります。

まず仕事で本当に活躍できるのかという点。
日本語力や日本理解がある程度あるのは見えてきましたが、例えば日本企業ならではの年功序列的な考え方や意思決定プロセスの構造曖昧さ、報酬への考え方などがインドの方にとって理解したり受け入れられるものかはまだわかりません。スキルや語学力が高いだけで本当にクライアントに価値を提供できる社員になり、メンバーズの特徴である「あたかも社員」を体現できるかはまだわかりません。

定着率の問題もあります。
日本でも人材流動性が高まっている中、多くのコストをかけて採用したインド人エンジニアが会社に定着してくれるかどうかは未知数です。日本での業務経験を持っていて、スキルが高く、日本語力も問題ないインド人エンジニアがいた場合、他社にとっては魅力的な人材に映るはずです。つまり転職市場における優位性を持つことになります。もしメンバーズで業務経験を積んだ後に、転職をしてしまうようであれば、コストをかけたり、リスクをとったのが無駄になります。そうならないためにもメンバーズとしても定着してくれるような施策を考え続ける必要があります。

生活面の問題も未知数です。メンバーズでは受け入れたインド人エンジニアが、地域社会に馴染むことができるように、サポートのしやすい地方拠点への配属を行い、私が中心となって生活のフォローも行っていく想定です。しかし私自身インド人エンジニア人材の生活面までサポートをする経験は初めてですし、どこまでやり切れるかも分からない部分があります。宗教的な面での支援も必要になるかもしれないですし、何か問題があった場合のセーフティーネットとしての動きも必要だと思います。私との繋がりだけでなく会社の他の社員や、会社外とのつながりもある程度作っていかないと本当の意味で日本で働いているとはいえません。

このようにまだまだ検討しなければならないことは多くあると思いつつ、今は前向きにインド人エンジニア活用の検証を行っています。

まとめ

メンバーズにおける外国人エンジニア(インド人エンジニア)の採用活動についてご紹介しました。まだまだ手探りな部分も多いですが、より良いサービスの提供のために、メンバーズは様々なことに挑戦していきます。

今回は新規採用についてご紹介しましたが、メンバーズにはすでに外国人エンジニアも多数所属しており、英語が必要なプロジェクトの支援なども対応可能です。もし興味がある場合はぜひご相談ください。

またメンバーズのような、グローバル人材がいる中でエンジニアリングをしてみたいという方はぜひ採用サイトからご応募をお願いします。

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この記事を書いた人

秋野 郁実
秋野 郁実
2015年にメンバーズに新卒で入社。エンジニアとして複数のクライアントワークを行ったのち、メンバーズのエンジニアの育成担当へ。これまでに300人以上のエンジニアの育成にかかわり、現在はモバイルアプリの開発支援を行うCross Appllicationカンパニーのカンパニー社長も担当。
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